腹膜透析(PD)
治療法
- 在宅医療
- 体内の腹膜で24時間連続した透析(老廃物などを除去)を行う最も生体腎に近い治療法
- 血液透析と異なり、頻回な通院は基本的に不要
準備
- お腹の中に腹膜透析用カテーテルを留置する手術が必要
- 手術時期の目安 採血 eGFR15未満
- 腰椎麻酔あるいは局所麻酔にて手術
2泊3日~3泊4日の入院
→ 腹膜透析用カテーテルを腹腔内へ留置
導入
- 透析開始時は入院が必要です。(体の急激な変化に対応するため)
- バック交換手技や緊急時対応を練習します。
- 透析開始時の入院期間
カテーテル留置手術実施済 約1~2週間
未実施 約1か月間
- 入院時に内服薬の調整や食事指導も行います。
【2種類の方法:生活スタイルにあった方法を選択します】
CAPD
(略;continuous ambulatory peritoneal dialysis:持続携行式腹膜透析)
透析液が入ったバックを1日に6時間毎に3~4回交換します。
APD
(略;automated peritoneal dialysis:自動腹膜透析)
寝ている間に機械を使って自動的に腹膜透析を行います。
- 退院後:基本は自宅で治療を続け、月1、2回程度通院します。
治療開始
具体的なタイムスケジュールの1例(CAPD)
具体的なタイムスケジュールの1例(APD(PD))
腹膜透析患者さんが日々行うこと(一部)
- バッグ交換
透析液のバックのチューブと、体からの透析カテーテルとを接続→透析液を出し入れ
- 出口部消毒
カテーテルの出口部周辺を毎日清潔に
長所・短所
長所
- 水や老廃物をゆっくり取り除く
- 体や心臓への負担が少ない
- 透析中の血圧低下がなく、疲労感が少ない
- 血液透析のように血管へ穿刺する針の痛みがない
- 時間的拘束が少ない
- 自宅や職場でバッグ交換が可能
- 通院回数は月1回程度
- 透析中も時間に縛られない生活ができる
- 残っている腎機能が保たれやすい
- 腹膜透析では尿量の維持される期間が長い
(血液透析では尿量が徐々に減少)
短所
- 透析液の交換(バッグ交換)など、自身での操作が必要
- 腹膜透析用カテーテルを清潔に保つ
- 腹膜炎や出口部感染のリスクがある
(血液透析に比べて感染症のリスクが高いわけではない)
ご提案
- 若年の患者さん
→学業や就労などへの影響が少ない
- 血液透析療法を続けることが難しい透析患者さん
→心血管系合併症のため血液透析が選択しにくい
→週3回の病院通院が困難である
- 高齢の患者さん
→透析液からカロリー補充できるというメリットがある
→身体的負担が少ない
一度当院へご相談ください
【連絡先】
TEL:017-781-9331
担当:外来